GO!GO!ブレーメン!

NHK教育ミニモニ。でブレーメンの音楽隊」の第2部・70年代編が終わりました。

2004年2月は全てのののヲタにとって一生忘れることのできない至福の時間だったと思うのですがどうでしょうか?少なくとも、俺はののヲタでヨカッタと、今、心から思っています。
ののさん、素晴らしいドラマを本当にありがとう!


正直、俺は今までののさんって内弁慶なんだと思ってました。ののさんの魅力は、気心知れたメンバー、それも自分を可愛がってくれる“お姉さん”と絡んだときにこそ発揮されるものだと。

だから、一人ぼっちで、初めての本格的なドラマで、初めてのスタッフ、初めての共演者の中で主役を張るということにドラマが始まる前は一抹の不安がありました。

しかし、その全てが杞憂でした。ののさんは俺が考えていたよりも全然大人でプロフェッショナルで一流でした。


特筆すべきは、やはり表情の演技ですね。
兎に角、全てのシーンでののさんの表情が素晴らしかった。
本当は身体全体を使って演技してるんだろうけど、これでもか!というぐらい顔アップの画が多かったお陰で、ののさんの多彩過ぎる、まさにネコの目のようにコロコロと変わる表情を堪能できました。
ただ多彩なだけでなく正確でもありました。どこかで誰かも書いてましたが、ののさんが笑えば視聴者も笑い、ののさんが怒れば視聴者も怒り、ののさんが泣けば視聴者も悲しくなるといった塩梅。これは贔屓目を抜きにしても凄いことだと思います。

個人的には、第6話(第2部の第2話)はののさんの表情の演技が冴えまくってて素晴らしかったです。ラストの笑顔には神々しさすら感じました。まさに菩薩の微笑み。なんか色々と超越してましたね。


一部のヲタの間では、映画「ナマタマゴ」とドラマ「伊豆の踊子」を通じてののさんが演技派であることは知られていましたが、NHK教育の子ども向けドラマとはいえ、モーニング娘。辻希美が歌も演技もできるタレントである、ということを世間的に知らしめたこともファンとしてうれしい限り。時に“モーニング娘。の秘密兵器”と形容されるののさんですが“秘密”のまま終わらなくて本当に良かったです。


第2部のストーリーについて。
学校でハグレ者の烙印を押されていた黒田美音子(通称ネコ・辻希美)、大神陽太郎(第1部の大神先生・沖津和)、紺野萄子(近藤舞)の3人がフォークバンドを結成。練習場所となる古い洋館は3人が初めて見つけた自分たちの居場所。洋館に棲みついた幽霊のケンジ(通称ケン坊・遠藤雄弥)もバンドに加わり、4人は路上ライブに向けて練習を開始します。しかし、その洋館は街を騒がす“ひったくり犯”の隠れ家でした。“ひったくり犯”とハチ会わせした4人は力を合わせて“ひったくり犯”をやっつけるのです、と童話「ブレーメンの音楽隊」をほぼ下敷きにしつつ、結末は、それぞれが自分が本当にやりたかった道に進むためバンドは解散、成長したネコはケン坊の姿を見ることができなくなる、というホロ苦いもの。

ネコたち4人が最初の目標としていた「ブレーメン通り」での路上ライブはバンドの解散に伴い実現できなかったみたいですが、童話の4匹がブレーメンには辿りつかなかったことに呼応しています。
また第1部と比べると、ちよの(高橋愛)が、ハーモニカミュージカル「ブレーメンの音楽隊」を完成させる中で仲間の中に自分の居場所を見つけ、物語の後も割と楽し気な学園生活が待っていそうなのと対象的です。

仲間との出会いと別れ、家族や先生との衝突と和解、挫折と成長などを描き切った第2部は、実に良質なジュブナイルドラマであったと思います。この、笑った後の少し切ない感じこそ青春モノの醍醐味。


さて。来週からは加護さん主役の第3部です。ジュブナイルのフォーマットの範囲内に収まっていた第1部・第2部と比べて、戦後間もなくという半分時代劇のような舞台でどのように物語が転がっていくのか全く予測がつきません。加護さんの演技と合わせて物語にどのような結末をつけるのか、実に楽しみです。